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No.25 スマトラ島沖地震に寄せて

未曾有の大災害、スマトラ島沖地震が起こってから、
今日でちょうど2か月が経ちました。
美しい海辺に巨大な津波が押し寄せ、
一瞬のうちに多くの人々の命と平穏な暮らしを奪ってしまった
この惨状を伝える映像を目にするたび、
誰もが信じられない思いに胸がいっぱいになったことでしょう。
徐々に世界中から支援の手が差し伸べられ、
現在では合わせて62億ドルが寄せられていると聞きます。
(国連人道問題調整事務所調べ)
私たちクラシック音楽に携わるものたちの間でも
「何か自分たちにできることはないか」
という思いが高まり、ついに去る2月21日、東京国際フォーラムで
「復興支援チャリテコンサート」が開かれました。
チケットがわずか20分で売り切れてしまうという盛り上がりのなか、
復興を望む5000人ものお客様が詰めかけ、幕が上がりました。

小澤征爾さん、大友直人さん、飯守泰次郎さん、外山雄三さんの4人のマエストロたちが指揮するのは、
各オーケストラ、フリーの演奏家、音大教授たちによる一夜限りの特別編成オーケストラ。二期会合唱団、日本オペラ振興財団の有志の皆さんによる合唱。
そして大倉正之助さん(大鼓)、佐藤しのぶさん(ソプラノ)、錦織健さん(テノール)、前橋汀子さん・樫本大進さん(ヴァイオリン)、横山幸雄さん(ピアノ)、須川展也さん(サキソフォーン)がそれぞれ心のこもった演奏をなさいました。
小澤征爾さんはバッハの「G線上のアリア」を振り終わっても、身動きせず、拍手も求められませんでした。
音楽の余韻の中、観客も演奏者も一つになってスマトラ島への祈りを捧げているようでした。
私はNHKのアナウンサー、村上信夫さんと共に司会を務めさせていただき、
またグルックの「精霊の踊り」を演奏いたしました。
愛妻エウリディーチェを亡くしたオルフェオが黄泉の国まで追っていくシーンで奏でられるメロディを、
スマトラ島への哀悼を込めて演奏させていただきました。

今回の収益金はすべてユニセフを通し現地に送られることになっています。
「まだまだ傷跡の生々しい中でも、泣いている子供はいないのです。
皆笑って生き生きと過ごしているのですよ。子供は希望です」
という、ユニセフ駐日事務所のかたの言葉が印象に残りました。

その夜、同じ時間を共有した聴衆の皆さんと演奏家たち、
そして尽力した日本クラシック音楽事業協会のスタッフたちの気持ちがひとつとなって、現地に伝わっていったことを、信じたいと思います。
2005年2月26日
山形由美
 
※当日の模様は「モーストリークラシック」(産経新聞社より3月20日発売)付録のDVDでご覧になれます。
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