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No.47 心のこもったプログラムを

演奏会の準備は、何と言ってもプログラム作りから始まる。
今度訪れるのはどんな街なのだろうか。
会場ではフルートの音がどのように響くのか。
クラシックになじみのあるお客様が多くいらっしゃるのだろうか、
またはフルートを初めて身近に聴かれる方が殆どなのか…。
様々な要素をなるべく事前に調べ、その日に最もふさわしいと自分が感じる曲目を選び
2時間のプログラムを作り出す。

今までおよそ1500回のコンサートを重ねてきたが、
それでもなお初めて訪れる会場も多いので手探りは続くし、
何度目かに訪れる場合は今回どのように新鮮味を感じていただくかということも大切なことである。

共演楽器によってもガラッとプログラムは変わる。
旋律楽器であるフルートは、通常他の楽器とアンサンブルを組むが、
最もポピュラーな組み合わせはピアノ、ハープ、ギターなどとのデュオ。
また弦楽器とのアンサンブル、オーケストラや吹奏楽団との共演の機会もあるが、
最近ではチェンバロとの共演も多く取り入れるようになった。

バロック時代に全盛を極めた典雅な響きを持つ鍵盤楽器・チェンバロは、フルートとの相性がとてもよい。
バッハやヘンデル、ヴィヴァルディなどは数多くの美しいフルート曲を残しているので幅広い選曲が可能だし、
フランスのクープラン、マレなどの曲はまさに王朝の香りがする。

そのようなレパートリーを演奏する時は、古典的でエレガントなドレスを選ぶ。
そして後半、ピアノに置き換えてテクニックを駆使した難曲やタンゴなどを演奏する時は、
思い切り華やかで情熱的なドレスに着替えたりもする。
訪れる街を思い描きながら、曲目を練り衣装を選ぶひと時は、とても大切な時間なのである。

※『神戸新聞』 夕刊「随想」 2006年11月29日(水)より転載
2006年12月1日
山形由美
 
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