山形由美 オフィシャルサイト

こちら那須では、朝夕の気温がぐっと下がってきました。
秋の空気を感じながら、今改めて、夏のよき思い出を、偲んでいます。

私にとってこの夏、一番記憶に残った風景、それはプラハの夕暮れです。2001年、ミレニアムを記念して両親とヨーロッパ各地を旅行した際、初めてチェコのプラハを訪れました。ヴルタヴァ川の向こう岸に王宮を臨みながらカレル橋を渡ったとき、そのあまりの美しい風景に酔いしれ、また絶対訪れたい、と強く思いました。その願いが12年ぶりに叶い、この８月ついに実現したのです。両側に並ぶ彫刻がくっきりとしたシルエットを描く中、カレル橋をゆっくりと進みながら、暮れなずむプラハの限りなくロマンティックな風景に再び出会うことができた喜びをかみしめました。

その後、オーストリアに移動。ウィーン国立歌劇場でのコンサート、ザルツブルク音楽祭でのオペラ鑑賞などで素晴らしい芸術に触れ、満ち足りた思いで帰国しました。 帰国と同時に秋シーズンに突入しましたが、この夏自分の中に残ったたくさんの思いや経験を糧として、演奏に向かっていこうという気持ちが強く湧いてきています。

これから各地を訪れる予定がありますので、是非会場でお目にかかれますよう願っております。そして、皆さまには夏のお疲れが出ませんよう、秋の日々をお健やかにお過ごし下さいね。